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「映画鑑賞会」からのレポート 

『母なる証明』(韓国)83点

大絶賛されていますが、万人向けの作品ではありませんのでご注意下さい。
母と知的障害がある息子。近親相姦を疑わせるような濃密な関係の母子です。
そんな息子が女子高生殺人事件の容疑者となり、真犯人を捜して母の奔走が始まります。
ねっとりしたサスペンス。二転三転する犯人探し。サスペンスミステリーとして秀抜です。とはいえポン・ジュノ監督作品。ひとすじなわではいきません。
大変作家性が強く、社会や人間の奥底にある闇の部分を容赦なくえぐり出します。
__________________________________________________________________キサラギ
母なる証明
今回の作品は、田舎の閉鎖的なドロッとした人間関係を背景に、殺人事件を通して極限の「母性」を追及しようとしています。終盤の明らかになってくる事件の背景のおぞましさや、また残酷で執拗な(痛々しい)暴力シーン等、気分が悪くなる方もいるかもしれません。
映像表現には感心させられます(私は、この監督の映像感覚は、黒澤明の資質に近いと思っています)。オープニング、母は枯れた野原にさまよい出て、しばらく佇んだ後、何故かクネクネと踊り出します。ワンカットの長回し。踊りに哀愁の音楽が重なりメインタイトル。意味不明だが、映像の快感。母は何故踊るのか。このシーンの意味はラストにわかります。
正直いいまして私はこの作品の意味がよくわかりませんでした。誰が犯人であるとか、そういう事ではなくて、作者がこの作品に込めたテーマがわからない。いわゆるキーワードが見つかりませんでした。ラストで取り残された気分です。映画マニアの方は挑戦してみて下さい。

この他の寸評
『沈まぬ太陽』82点 まさに力作。面白いです。3時間22分あきさせません。長大な原作を上手にまとめています。ただ一箇所構成上の不満がありますが…。『ヴィヨンの妻』90点 秀作だと思います。大変上質な日本映画。この異常な夫婦関係にいかに普遍性をもたせるかが勝負だったと思いますが見事に成功。魂の恋愛。宗教的ですらあります。松たか子好演。『のんちゃんのり弁』78点。佳作。小西真奈美好演。
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コメント

Re: 映画採点

> ご無沙汰しています。
> キサラギ(上田則夫)です。
>  ※面倒くさいので実名出します。
> 皆さんにお知らせしたい映画があって、久々に書き込みします。
> 『エンディングノート』という、日本のドキュメンタリー映画です。
>  ※10月3日千葉劇場にて鑑賞。
> 69歳で胃がんのために亡くなった砂田知昭さん。その方のがん告知から亡くなるまでの半年間を、映画の仕事に携わる末娘の砂田麻美さん(31歳)がカメラで記録し、それを90分の劇場用映画に編集した作品です。
> いわば砂田家のホームビデオなのですが、プロの視点と上手な編集によって、ひとつの立派な映画作品に仕上がっています。普遍的な人間の生と死、そして家族の愛が描かれています。死んでいく人をここまで見つめた作品は珍しいと思います(実の娘だから撮れたのでしょう)。
> 重たいテーマですが、主人公が大変ユーモラスな明るい性格で(死ぬ直前まで笑わせてくれます)、一方カメラも、視点がどこかユーモラスで、しかも感情を抑制して淡々と撮っており、また映像センスも良いために、とても爽やかで軽やかな作品になっています。この父にして、この娘という感じが、おかしく、また哀しいのであります。この父親は、家族のために、葬儀(寺院ではなく教会を選択)の仕方や、財産分与の事など細かく綴ったエンディングノートを作成するのですが、これから死んでいく我々には大変参考になります。
> さて、この作品を何故ここでお知らせしたかといいますと、実はこの作品、慶応義塾とつながりがあります。
> プログラムを読みますと、主人公の砂田知昭さん(丸の内の化学メーカーを専務で退職)は、慶応大学経済学部の出身です(昭和39年卒?ユースホステル部)。また、撮影、監督した末娘の砂田麻美さんは、慶応大学総合政策学部出身です。そのせいか、三田キャンパスや、福澤先生の銅像、また主人公が、日吉の銀杏並木を歩いているシーンも出てきます(たぶん連合三田祭)。
> そういうわけで、この佳作は、船橋三田会の方々も、機会がありましたら是非ご覧いただきたいと思います。
> 但し、上映劇場が大変少なく、東京では新宿ピカデリーのみ。千葉県では、千葉劇場(JR千葉駅から徒歩20分の不便な映画館)のみで、しかも今週だけの限定公開です。
> 最後に、私の採点は83点でした。

映画採点

ご無沙汰しています。
キサラギ(上田則夫)です。
 ※面倒くさいので実名出します。
皆さんにお知らせしたい映画があって、久々に書き込みします。
『エンディングノート』という、日本のドキュメンタリー映画です。
 ※10月3日千葉劇場にて鑑賞。
69歳で胃がんのために亡くなった砂田知昭さん。その方のがん告知から亡くなるまでの半年間を、映画の仕事に携わる末娘の砂田麻美さん(31歳)がカメラで記録し、それを90分の劇場用映画に編集した作品です。
いわば砂田家のホームビデオなのですが、プロの視点と上手な編集によって、ひとつの立派な映画作品に仕上がっています。普遍的な人間の生と死、そして家族の愛が描かれています。死んでいく人をここまで見つめた作品は珍しいと思います(実の娘だから撮れたのでしょう)。
重たいテーマですが、主人公が大変ユーモラスな明るい性格で(死ぬ直前まで笑わせてくれます)、一方カメラも、視点がどこかユーモラスで、しかも感情を抑制して淡々と撮っており、また映像センスも良いために、とても爽やかで軽やかな作品になっています。この父にして、この娘という感じが、おかしく、また哀しいのであります。この父親は、家族のために、葬儀(寺院ではなく教会を選択)の仕方や、財産分与の事など細かく綴ったエンディングノートを作成するのですが、これから死んでいく我々には大変参考になります。
さて、この作品を何故ここでお知らせしたかといいますと、実はこの作品、慶応義塾とつながりがあります。
プログラムを読みますと、主人公の砂田知昭さん(丸の内の化学メーカーを専務で退職)は、慶応大学経済学部の出身です(昭和39年卒?ユースホステル部)。また、撮影、監督した末娘の砂田麻美さんは、慶応大学総合政策学部出身です。そのせいか、三田キャンパスや、福澤先生の銅像、また主人公が、日吉の銀杏並木を歩いているシーンも出てきます(たぶん連合三田祭)。
そういうわけで、この佳作は、船橋三田会の方々も、機会がありましたら是非ご覧いただきたいと思います。
但し、上映劇場が大変少なく、東京では新宿ピカデリーのみ。千葉県では、千葉劇場(JR千葉駅から徒歩20分の不便な映画館)のみで、しかも今週だけの限定公開です。
最後に、私の採点は83点でした。

映画採点

最近鑑賞した作品について寸評させて頂きます。

『アバター』90点
2時間40分の衝撃映像体験(見るというより体験したという感じ)。3D映画のエポックとして後世に語り継がれる作品だと思います。ストーリーはそれほどたいした事ありませんが、映像の凄さに感激、感激。この歴史的作品は、映画ファンでしたら是非、いや絶対ご覧下さい(映画館の大スクリーンで、3Dメガネを付けて見なくては意味がありません)。

『パブリックエネミーズ』80点
銀行強盗デリンジャーの話。男の美学をスタイリッシュな映像で描いていますが、私はこの作品は恋愛映画だと受け取りました。まさに任侠恋愛映画。しびれます。

『2012』78点
家族そろって楽しめる優良娯楽作品。これだけの大災害で残酷なシーンがほとんどありません。主人公一家が不死身なのには大笑い。ラストに希望があるのもいいです。CG凄いです。

『カールじんさんと空飛ぶ家』83点
中高年向けアニメ。秀作です。最愛の妻を亡くした老人が生きる力をとり戻すまでを描いています。私は涙、涙でありました。冒険、友情、勇気、希望といったアメリカ映画の良心が詰まっています。哲学的になってしまった宮崎駿アニメに対して、アメリカンアニメの心意気を感じました。

『イングロリアルバスターズ』85点
痛快娯楽戦争活劇ではありませんのでご注意下さい。実質は大変マニアックなアート系の作品です。マカロニウエスタンとB級戦争映画のパロディーという体裁で、人間の残虐非道さを描いています。超残虐シーン満載(頭の皮をはいだり、バットで撲殺したり)。後味の悪さはとびきりです。とはいえやはりこの作品は秀作だと思います。非常に変則的な反戦映画。タランティーノという変人映画作家の凄さがわかります。

TAMA CINEMA FORUM第19回映画祭

11月22日、「TAMA CINEMA FORUM第19回映画祭」に行ってきました。
会場は京王線聖跡桜ヶ丘駅のヴィーダホール。
知っている監督や俳優が出演しているというので、1000円で朝から夕方まで6本観てきました。
「mon amour,mon amour」「INTERSPACE」「ヘビと映子と佐藤のこと」「東京」「最低」「ロックアウト」・・・何れも新進気鋭の若手監督によるもので、コンペティションで105作品からノミネートされた6作品です。
いわゆる一般の映画と違い、「本当に観客を楽しませるもの」「芸術性の非常に高いもの」「映画とは本来こうあるべきもの」等があり、映画に対する考えを新たにしました。
こういう映画人達が活躍している限り、日本映画も「なかなか捨てたものではないな」とつくづく思った一日でした。「映画ってホントにいいもんですね!」
  • [2009/11/23 11:46]
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