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2月のお勧め映画 

① 『ドラゴン・タトゥーの女』(米、英、独、スウェーデン)158分

 2時間38分のミステリー大作。見応え充分です。
スウェーデンで大ヒットしたミステリーシリーズのハリウッドリメイク版。米英の俳優による英語の作品ですが、物語の舞台は原作のままスウェーデンです。
スウェーデン経済界に君臨する大富豪一族の40年前の少女失踪事件を、ジャーナリスト(007俳優のダニエル・クレイグが好演)が捜査する話で、その助手を務めるのが、まさにこの映画の主人公ドラゴン・タトゥーの女であります。
ピアスと刺青、パンクファッションの小柄な女性。セキュリティー会社の裏の調査員で、天才的ハッカー。心に大きな傷を持つダークヒロインです(演じたルーニ・マーラーはこの作品でアカデミー主演女優賞候補。前作「ソーシャルネットワーク」での普通の女子学生役が信じられません)。
 脚本、監督、撮影等、超一流スタッフによる見事な娯楽作品です。映画ファンには絶対のお薦めですが、ただ、大変猟奇的な内容で、性的虐待や、死体の描き方など、吐き気がするようなグロテスクな場面も多いので苦手な方はご注意下さい。また性描写が過激なので、ご夫婦や親子で見るのは気まずいかもしれません。
 人間のおぞましい欲望を暴(あば)きだす恐ろしい内容ですが、ラストは意外と爽やか。作り手に、人間の悪を憎み「愛」を信じる心があるからだと思います。
 映画界に新しいヒロインが誕生しました。続編が楽しみです。
[私の採点は、絶賛の88点]

② 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』(米) 129分

 9.11で、最愛の父親(トム・ハンクス)を亡くした12歳の少年の再生の物語。父の死を受け入れる事ができない彼は、たまたま見つけた父の遺品の「鍵」(小さな封筒に入れられ、ブラックと書かれていた)の鍵穴を探して、ニューヨーク中のブラックという名前の人を訪ね歩きます。
最愛の人を亡くした喪失感はいかに克服できるのかというデリケートで大変難しいテーマに取り組んだ作品です。9.11が米国人にもたらした喪失感を真正面から見つめています。
 長いタイトルは、主人公の少年(発達障害があって不安や恐怖感に大変敏感)が感じる、9.11以後のニューヨークという街の圧迫感や脅迫観念をあらわしているそうです。
サリンジャーの小説のような、饒舌で(字幕がついていけない)、詩的でナイーブな作品ですので、誰にでもお薦めできる作品ではありませんが、秀作である事は間違いありません(今年度のアカデミー作品賞候補)。
ドレスデン大空襲で言葉を失った老人役のマックスフォンシドー(この作品でアカデミー助演男優賞候補)と、少年の母親役のサンドラ・ブロックはさすがの名演です。
[私の採点は、85点]

③ 『はやぶさ 遥かなる帰還』(邦画) 136分

 よく出来ています。力作です。
 何度も危機を乗り越えながらミッションを成し遂げ、大気圏で燃え尽きた「はやぶさ」は、まさに絵になるドラマで、各社競作となっていますが、この作品は、東映が映画化したものです。
昨年公開された20世紀フォックス配給の『はやぶさ/HAYABUSA』(西田敏行、竹内結子)は、JAXA(宇宙航空研究機構)の新人女性研究員(竹内結子)を主役にして、彼女の視点で「はやぶさ」プロジェクトの全貌を客観的に見つめ、数十年にわたる研究開発スタッフの苦労と、「はやぶさ」の打ち上げから帰還までの7年間を、初心者でも良くわかるように描いた作品でした(佳作です。興味のある方はDVDで是非ご覧下さい。78点)。
 これに対して、今回の東映『はやぶさ 遥かなる帰還』は、はやぶさのプロジェクトリーダー(渡辺謙)を主役にして、NHKのプロジェクトXのような男達の熱いドラマに仕立てています。見応えがあります。ただ、帰還直前のエンジントラブルに比重をおいたストーリー構成ですので、はやぶさプロジェクトの全貌を知りたい人には少々物足りないかもしれません。
映画音楽を盲目の若手ピアニスト辻井伸行が担当していて、美しいメロディーを聞かせてくれます。また町工場の社長役の山崎努がさすがの名演で、これも見どころのひとつだと思います。           [私の採点は、76点]
 尚、3月に松竹制作の『おかえりなさい、はやぶさ』が公開されますが、これは3D映画だそうです。

                         H24.2.21 映画鑑賞会 上田則夫(記)
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