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4月のお薦め映画 

①『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』 (米) 146分

 誰にでもお薦めできる優良作品です。
今年度のアカデミー作品賞の候補作ですが、数ある候補作の中で、多分いちばん大衆的で親しみやすい作品だと思います。
上映時間は2時間26分ですが、巧みな作劇法と登場人物の魅力で長さを感じさせません。
1960年代前半アメリカ南部の黒人差別をテーマにしたお話です。「ヘルプ」というのは、白人上流家庭に務める黒人のメイドの事で、酷い差別をされていました。そんな現状を憂える作家志望の若い白人女性が、メイド達の証言を集めた告発本の出版を企画します。
しかし黒人がそんな本に協力した事が発覚すれば命すら奪われかねない土地柄です。誰もが躊躇する中で、ふたりの黒人メイドが現状を打破するために協力を始めます。そして彼女達の勇気が社会を動かし始めます…。
重たいテーマですが、これをアメリカのTVホームドラマのようなタッチで、大変ユーモラスで、痛快で、心温まる作品に仕上げています。勇気や友情など健全なアメリカ映画の良さがいっぱいつまっています。エンディングの主題歌が心に沁みます。
ポップコーン片手に理屈抜きに映画を楽しみ、そして帰り道にしみじみ良かったねと語り合える作品、そんな作品をご覧になりたい方は是非どうぞ。
[私の採点は85点]

②『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 (英)105分
 
サッチャー元英国首相の一代記ではありませんのでご注意下さい。
少々認知症が進み、8年前に亡くなった夫の幻影と共に暮らす老婦人マーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)を描いた作品です。
孤独な日々の生活の中で、夫の遺品を整理しながら、おりにふれて過去の思い出がよみがえります。食料品店(庶民出身)の娘が、オックスフォード大学に進み、最愛の夫と出会い、世間の差別や偏見と闘いながら政界を目指し、教育大臣を経て首相に昇りつめる。そして首相としての数々の苦難…。
現在と過去が、説明もないままにフラッシュバックしたりしますので、最初は少々戸惑いを感じますが、脚本が上手にできているので、それほどわかりにくい事はありません。
監督、脚本は女性の方で、元英国首相の伝記や英国近代史というより、首相を経験した事のあるマーガレット・サッチャーという女性の生き方、人生という視点で描いています。シェークスピア劇のようなニュアンスも感じられ、上記の「ヘルプ」とは対照的な、英国映画らしい端正で知的な作品です。
人生の晩年を意識されているご夫婦にお薦めです。
[私の採点は85点]

※この作品は、アカデミー主演女優賞とメイクアップ賞を受賞しましたが、私は、作品賞を受賞してもおかしくない作品だと思いました。しかし不思議な事に、作品賞、監督賞は候補にもなっていません。
昨年『英国王のスピーチ』がアカデミー賞主要部門を独占しましたが、「英国王」に続いて今年また「英国首相の話」では、さすがにアメリカ人のプライドが許さなかったのかもしれません。
ところで、今年度アカデミー作品賞を受賞したフランス映画『アーティスト』ですが、技術的に大変巧妙で、また恋愛映画としてとても素敵な作品だとは思いますが(タップダンスには感銘しました)、私の感性が未熟なせいか、正直言ってサイレント映画の「良さ」がよく理解できませんでした。
[私の採点は75点]

H24.4.21 映画鑑賞会 上田則夫(記)
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