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3月のお薦め映画 

〇『クラウド・アトラス』(米) 172分

トム・ハンクス主演のSF映画(ジャンル分けは難しいのですが、しいて言えばSFかなと…)。3時間の大作です。
マトリックスシリーズのウォシャウスキー姉弟(米国人)と、『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ(ドイツ人)が共同で監督した壮大な野心作。凝りに凝った娯楽映画です。ただ、その複雑なストーリー構造と、特殊なテーマで、けっして万人向けの映画ではありませんのでご注意下さい。

ストーリーを説明するのは難しいです。
19世紀から24世紀までの500年間にわたる年月の、異なる時代と、異なる場所(スコットランド、サンフランシスコ、ロンドン、ソウル、ハワイ)での6つの物語が複合してひとつの映画になっています。
それらは、歴史劇、人間ドラマ、コメディー、社会派サスペンス、近未来アクション、SF等々、それぞれジャンルが違う6つのいわば短編映画です。しかしオムニバス形式の映画ではありません。なんと、この6つの物語が、まさに編集の妙技で、あちこちめまぐるしく行き来しながら同時に進行していくのです。そして最終的に、2321年のハワイを舞台にした人類崩壊の物語に集結します。

何故このような構成の映画が成立するかといいますと、テーマが「輪廻転生」だからです。魂は何度も生まれ変わり、そしてその業(カルマ)が未来を創っていくというチベット仏教的な死生観です。全く異質の6つの物語は、実は時代を越えてつながっているのです。
魂は生まれ変わるのですから、6つの物語は俳優も重複しています。トム・ハンクスやハル・ベリー、ヒュー・グラント、スーザン・サランドンあるいは韓国人女優ペ・ドゥナ(好演です)等々の出演者は、特殊メイクによって役柄を変えて、時には人種や性別まで変えて、それぞれの物語に登場します(エンドロールで、誰がどんな役を演じていたかが紹介されますのでお見逃しなく。びっくりしますよ)。

6つの物語が同時進行する映画ですから、観客は、はじめは相当困惑します(わけがわからず最初の30分で帰ってしまう人もいるようです)。しかし慣れてくれば大丈夫です。次第に6つの物語が有機的につながり、目が離せなくなってきます。そしてクライマックスは怒涛の展開となります。上映時間3時間をけっして長いと感じさせません(相当疲れますが…)。全編を彩る音楽「クラウド・アトラス六重奏」が美しいです。私の拙い説明ではわかりにくいと思いますので、興味のある方はどんな映画か、ネットで予告編をご覧になって下さい。

私の採点は、映画の完成度としては(さすがに凝りすぎで)78点ですが、このような前代未聞の映画を製作したチャレンジ精神に敬意を表して85点とします。
一種のカルトムービーとして後世に残るような気がします。
                      上田 則夫(記)
                              H25.3.31 船橋三田会幹事
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