8月のお薦め映画① 

〇終戦のエンペラー (米)107分

 「日本人にとって天皇とは何か」「日本人とはどのような民族なのか」を、外国人の視点から教えてくれる映画です。テーマは「天皇の戦争責任」。邦画ではとうてい作れない内容だと思います。
 この映画は、もともと日本人の奈良橋陽子(ラストサムライ・SAYURI・バベル等のキャスティングディレクターとして有名)がハリウッドに持ち込んだ企画だそうで、彼女が米国人と共に製作にあたり、監督は、英国人のピーターウェーバー(真珠の首飾りの少女)が担当し、脚本は米国人ですが、その他、撮影、美術等の主要スタッフは、ほとんどニュージーランド人で、撮影もニュージーランドで行われています(オークランドに東京の焼野原が再現されたそうです)。このように日本、米国、英国、ニュージーランドの国際的なスタッフで作られていますので、とても客観的な視点で、終戦直後の日米関係を描く事に成功しています。

 1945年8月30日、マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が来日して、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が設置され、まずはA級戦犯の逮捕が行われますが、同時にある極秘調査が始まります。任務にあたるのが、この映画の主人公である、ボナー・フェラーズ准将(マシュー・ホックス)。米国政府は、天皇を裁判にかけて処刑する方向性を示していましたが、マッカーサー元帥は、処刑を回避する道を探るべく、フェラーズ准将に、10日間以内に天皇の戦争責任を調査するように命じたのです。
フェラーズ准将は、大学時代に日本人留学生アヤ(初音映莉子)との交際があり、親日家でした。戦争で行方不明になったアヤの消息を探りながら、元首相の近衛文麿(中村雅俊)や、宮内次官の関谷貞三郎(夏八木勲が好演)等の天皇の側近達を尋問していくのですが…。

 クライマックスは、マッカーサー元帥と天皇陛下(片岡孝太郎)の会見シーン。日本人なら、この場面だけでもこの映画を見る価値があると思います。胸が熱くなります。
主人公と日本人アヤとのラブストーリーが、うまくストーリーとなじまず、中盤少々退屈なところもありますし、また低予算のせいか、米国人俳優もトミー・リー・ジョーンズ以外はほとんどなじみのない俳優ばかりで(日本人俳優は豪華キャストですが)、少々地味な感じは否めません。とはいえ、娯楽映画ですがとても真面目で志の高い映画だと思います。戦争を憎み、平和を願う気持ちが込められています。興味のある方は是非ご覧下さい。 (私の採点は78点)
                     上田 則夫(記)
                                  H25.8.3 船橋三田会幹事
                          
スポンサーサイト

コメント

宮崎様
お読み頂きありがとうございます。
この映画は、年代によって受け取り方がだいぶ違うようです。私の世代は比較的ドライかもしれませんが、ご高齢の方で嗚咽をあげる方もいらっしゃるようです。

コメント読ませて貰いました。
何時もGuidelineを示して頂き深謝、未だ観ていませんが、ハンカチは何枚持参したら
よさそうですか?

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する