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2月のお薦め映画 (『オデッセイ』 『キャロル』)  

○『オデッセイ』 (米)  2時間22分

『エイリアン』のリドリー・スコット監督作品ですが、異星人が出てくるような怖いSFアクション映画ではありません。
不慮の事故で火星にひとり取り残されてしまった植物学者のマーク・ワトニー(マッド・デイモンが大好演)のサバイバルをリアルに描いた作品です。
地球とは連絡が取れず、食料と水もせいぜい1年分。しかし次の火星探査機が到着するのは4年後。彼は、自給自足をめざして芋の栽培と水の製造を始めます。一方地球のNASAは、マークが死んだものとして葬式まで済ませていましたが、火星の衛星映像をチェックしていた職員が彼の生存を偶然に発見。彼を地球に帰還させるためのまさに「プロジェクトX」が動き出します…。
絶望的な状況で辛気臭い映画かといいますと、さもあらず。ユーモラスなシーンも多く、80年代のディスコミュージックが流れるなど意外と明るい作品です。
圧倒的な孤独の中で、どんな困難にも、くじけずめげずに、冷静に科学的に立ち向かっていく主人公。そして彼を救うために尽力する仲間たち。これぞアメリカ映画という感じです。SF映画としても楽しめます。見せ場がたっぷりです。
快作です。是非ご覧ください。できれば3Dでの鑑賞をお薦めします。
 (私の評価は☆☆☆★★★)
※今回から評価の仕方を変えます。『スクリーン』誌でおなじみの故双葉十三郎氏にならって、☆ひとつが20点。★が5点とします。

〇『キャロル』 (米)  1時間58分

女性同士の恋愛(同性愛)を描いた作品です。センセーショナルな内容もさることながら、愛し合う女性を演じた女優2人が、両方とも今年度のアカデミー賞候補になって話題を集めています。
1952年のニューヨーク。写真家をめざしながら百貨店でアルバイトをするテレーズ(ルーニー・マーラー)は、4歳の子供のクリスマスプレゼントを買いに来た美しい人妻キャロル(ケイト・ブランシェット)に心を奪われます。
まさに直球の恋愛映画です。出会いのときめき、交際、恋心は激情となり、貪り合い傷つけ合い、そして…。まだまだ保守的な社会で同性愛を貫く事は大変な事です。
揺れ動く心を淡い色調で表現した「撮影」や、魅惑的な「衣装デザイン」もアカデミー賞候補になっていますが、何よりも難しい役を体当たりで演じた2人の女優が素晴らしい。魅惑的な女性キャロルを演じた大女優ケイト・ブランシェット。そして『ドラゴン・タトゥーの女』から一変して、オードリーヘップバーンのような繊細でキュートな女性を演じる若手女優ルーニ・マーラー。この2人の深い表現が、この作品を単なる恋愛映画から普遍的な人間ドラマへと高めていると思います。ラストの2人の表情は強烈な印象を残します。
とてもナイーブで文学的な作品ですので、それなりの読解力は必要です。また人間関係や時代背景などが、ほとんど説明されませんので、わかりにくくて、特に前半は困惑するかもしれません。
誰にでもお薦めできる映画ではありませんが、文芸映画がお好きな方、またファッションなどに興味のある方は是非ご覧下さい。まさに鑑賞する映画です。秀作だと思います。
私の採点は、☆☆☆☆

[昭和55年文学部卒 上田則夫]




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