9月のお薦め映画 

〇関ヶ原 (邦画)  2時間29分

日本映画久々の超大作です。
司馬遼太郎原作の『関ヶ原』を映画化。主人公は、豊臣秀吉側近の石田三成(岡田准一)。徳川家康(役所広司が好演)との確執に焦点をあて、愚直なまでに「正義」を貫こうとする石田三成の生き様(いきざま)を、天下取りの野望に燃える徳川家康の「不義」と対比させて描いています。
見どころ満載です。まず、見どころ①は、東本願寺や姫路城など国宝級の歴史建造物でのロケーション。大河ドラマのセットとは、まるで重厚さが違います。
見どころ②は、これまでにない豊臣秀吉像、徳川家康像。特に役所広司演じる徳川家康が強烈な印象を残します。天下を取る人間の尋常ならざるキャラクターを見事に描いています。   
見どころ③は、なんといっても、後半の関ヶ原の合戦シーン。3千人のエキストラが投入されたそうですが、あちこちで局地戦が展開した合戦の模様をリアルに再現しています。

この映画は、脚本、映像、美術、音楽等々、大変丁寧に作られており、細部にまで心がいきとどいた、実に志(こころざし)の高い、内容の濃い作品だと思います。
ただし、映画として、映像表現を重視したためか、説明を極力排したドラマ構成で、関ヶ原の合戦の経緯となる諸々の事件や、あるいは各武将の動向等について、親切な説明はほとんどありません。周知の歴史的事実として話はどんどん進んでいきます。しかも登場人物のセリフのリアリティーを重視したせいか、早口だったり、あるいは方言だったりして、聞きにくい部分があります。
私は、もともと歴史的知識は乏しく、それでも、あえて予備知識なく鑑賞したのですが、背景の歴史的な事はよくわからなくても、人間ドラマとして充分に楽しめる内容になっており、全く退屈はしませんでした。このあたりについては賛否両論のようです。
しかし、できれば、豊臣秀吉の晩年あたりから関ヶ原の合戦までの経緯や、武将たちの相関図、また、関ヶ原の合戦における島津軍や毛利軍の動向、小早川秀秋の裏切り等については、概容を知っておいた方が、よりこの作品を楽しめるのではないかと思います。
映画好きの方には是非お薦めしたい作品です。尚、蛇足ですが、長尺ですので、トイレが近い方は気をつけて下さい。

[昭和55年文学部卒 上田則夫]





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