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10月のお薦め映画 

〇日日是好日 (邦画)  104分

「茶道」をテーマにした静謐な映画です。
原作は、『日日是好日―お茶が教えてくれた15のしあわせ』(新潮文庫)。エッセイストの森下典子が20年以上お茶を習ってきた中で、茶事の不思議さ、面白さ、そして学んだ事、感動した事などについて綴ったエッセイです。
エッセイが原作ですから、それほどドラマチックな人間ドラマはありません。
主人公の典子(黒木華)は、大学生の時に、いとこの美智子(多部未華子)と共に、近所の武田先生(樹木希林)が営む茶道教室に通い始めます。それから20数年間に、典子の人生には、就職とか、失恋とか、家族の死とかいろいろな事が起こりますが、その人生の折々が茶道との関わりで語られていきます。

「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」というのは、雲門禅師(唐の時代)の言葉で、ある意味で悟りの境地を表わしていますが、この映画では、主人公が、茶道を通した年月の中で、その言葉の意味に気づき、体感します。茶道は、「禅」につながっていますので、この映画は、仏道の映画でもあります。ここには、大変豊饒な人生哲学があります。

とはいえ、小難しい映画ではありません。理屈よりも感性に訴える映画で、二十四節気という四季の移ろい、茶室の掛け軸や、美しい茶碗や和菓子といった、茶道のアイテムが丁寧に語られる、静かでゆったりした映画です。
そして、何よりも、主演の黒木華と樹木希林が、見事な演技力で、この作品に血肉を与え、茶道の世界を描きながら、人間ドラマとしても深みのある作品になっています。特に樹木希林は遺作とよぶにふさわしい名演だと思います。
前半は、人によっては少々眠くなるかもしれませんが、茶道の世界を学ぶつもりでご覧になると良いかと思います。秀作です。是非ご覧ください。    (私の採点は、80点)

[昭和55年文学部卒 上田則夫]







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