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福澤精神研究会第16回講演会 「福澤諭吉から慶應野球 Enjoy Baseball」を開催 

 2023年5月21日(日)午後、船橋市中央公民館にて慶應義塾福澤研究センターの都倉武之准教授による「福澤諭吉から慶應野球 Enjoy Baseball」という演題で講演会を開催しました。この講演会には毎回近隣三田会の皆さんにも出席して頂いていますが、今回も船橋稲門会、城北三田会、江戸川三田会、浦安三田会、市川三田会、佐倉三田会、八千代三田会、四街道三田会、木更津三田会、千葉三田会からの参加もあり、総勢30数名を数えました。また、講演会終了後には久しぶりに近くの居酒屋で都倉先生も囲みながら懇親会を行いました。

 今回の講演では、近代日本スポーツの特質=精神性を強調する傾向、特に野球に典型的に見られるに対し、他校の歴史と著しく異なる文化を形成している慶應野球部(Enjoy Baseball)を比較検討しています。なお、スポーツは体育よりも広い概念とされています(例:日本体育協会 → 2018年 日本スポーツ協会)。

 日本の伝統的なスポーツ観・野球観は、武術に由来する武道(求道・精神性重視)であり、早稲田大学の「一球入魂」などにその表れを見ることができます。また、気合と根性、しごきなど合理性や科学性を疎んじ、過度な規律や集団主義(共同責任)の中、技術をさげすみ、遊戯性を否定し、競技は神聖なものとしています。そこから「楽しい」のは真剣味が足りないのであり、学業軽視(除籍中退当たり前)で全てをかけるのが良しとされ、勝利が全てという見方につながっています。この考えは、一高野球部の「野球年報」1903年や学生野球の父と言われる飛田穂洲早大監督の「中等野球読本」に表現されています。

 しかし福澤諭吉の考えは違いました。彼は適塾での医学修得から科学的・合理的な健康管理の意識がありましたから日本で初めて学校教育に体育を導入(1868年)し、「慶應義塾の記」(1868年)でジムナスチック、運動場で楽しみながら身体を動かす時間を設けるよう主張しています。また1893年3月「時事新報」社説「体育の目的を忘るゝ勿れ」(後に塾生副読本「修行立志編」「福澤文選」に収録)では、体育を口実に「遊戯に耽り、学業を怠り」「不養生」「不品行」は「言語道断」と断じ、慶應のスポーツのあり方を長く方向付けた一文を残しています。学生スポーツとしての節度を守れと言うことでしょう。

 その後の小泉信三、鷲沢与四二、三宅大輔、越本寿、平沼亮三、前田祐吉監督らの慶應人脈においてスポーツの教育的意義や学生スポーツのあるべき姿が論じられ現在に至っているが、その結果出来上がった慶應野球部の文化は次のようなもので、更に野球から社会を変える!との思想も生んでいると言いいます。
 ・学生の本分は学業(授業出席を前提に練習を組む)
 ・アメリカ的な野球(Enjoy)の追求
   積極的・闘争的プレー、相手へのリスペクト、知略的でスリリングなゲーム(試合
   巧者慶應)、科学性・合理性の重視、個の尊重、緩やかな上下関係
   
 最後に都倉講師は次のように結ばれました。
結局慶應義塾における学生スポーツは、福澤諭吉を原点に、学問が主、スポーツはそれを高めるものという点で一貫した思想を形成してきたものと言えよう(小泉信三だけではない)。それは、「学生スポーツ」とは何かという問いと向き合い、若者を育てることに真摯に取り組んだ傑出した歴史を有することは誇りとされて良いものと考えると。
                                                 以上
P.S. 我が母校は、今やスポーツ推薦が無いに等しい数少ない大学と言われています。
                                             文責:戸田裕二


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